営業マンの放浪日記

発酵牛床(コンポストバーン、バイオベッド)その4

植田秋良の日記2023/06/30

牛ふん堆肥のお話の前に
もう少し微生物や発酵のお話をいたします。
(大事な部分ですので、予定を変更してお送りします)

(1) 発酵とは?❷(腸内細菌とふん便の話)

さて、微生物は
人や牛のお腹の中(腸内など)にもすんでいます。

(余談ですが、無菌状態の胎内から母体の産道を通る時に
 初めて微生物に触れます。
出生後は母体含め環境中の微生物を口から取り込み、
腸内に定着していくと考えられています)

腸内(主に大腸)には、
数百種類、100兆個程度の細菌がすんでいると
考えられています(諸説あり)。

ものすごい数ですね!
(体の細胞数より多いそうです)

ビフィズス菌や大腸菌、クロストリジウム菌など、
名前や働きが分かっているものから、
そうでないものまで、あらゆるものがすんでいます。

それらは微生物の種類ごとに固まっていて、
その様子がお花畑と似ていることから、
「腸内フローラ」(腸内細菌叢)と呼ばれています。

微生物たちは仲良く共生することにより、
そのバランスを保っています。

何だか人の社会と似ていますね!
(同じ生物だから当然と言えば当然ですね!)

彼らは、胃から送られてくる不消化物を分解(エサに)し、
栄養の消化吸収だけでなく、
ホルモンやビタミン類、免疫(全体の約7割)なども
つくっています。

いわば腸内の微生物たちは、
人や牛の健康を支える重要な役割を果たしているのです!

しかし、ストレスや栄養バランスが悪い食事、疲れなどから
腸内細菌のバランスが崩れることがあります。

すると、今まで抑えられていた悪玉菌(病原菌)や
無害だった日和見菌が優勢になります。

その結果、免疫力や消化吸収力が低下し、
下痢や風邪など病気の発症に繋がってしまうのです。


排泄されたふん便には、
水分や未消化物の他、腸内細菌の一部も含まれています。

ふん便にも細菌バランスがあり、
腸内細菌バランス ≒ ふん便細菌バランスと言っても
過言ではありません。

ふん便の状態は、いわば健康のバロメーターです。

臭いや締まり(水分)、未消化物の有無やその量など
によって、健康状態を推測することができます。

例えば、
臭いが少ない上、締まりが良く、
未消化物の少ないふん便は、
細菌バランスも良いと思われます。

そのようなふん便は、発酵がしやすく、
良い堆肥づくりへと繋がるのは言うまでもありませんね!



では、次こそ牛ふん堆肥のお話をします。

よろしくお願いいたします!